「欠けた季節」 あらすじ  

      Story Line

 ひたむきに“自分らしく”生きようとする、さまざまな人々を描きました。

 主人公の裕介は、19歳。大学入学後、スチューデント・アパシー(学生無気力症)に陥り、無気力・無感動な日々から抜けだせないでいます。
 裕介はある日、ケガをした男を病院までつれていきます。男は細木正一・46歳。仕事ができず、金もない、さえない独り者。「せめて1度は、光のなかで生きてみたい――」。彼は自分にとっての「欠けた季節」= 青春の欠落を埋めたくて、愛人クラブに登録し、女子大生と交際していました。
 しかし、彼女に支払う手当てがつくれなくなってきました。「お金を待ってほしい」。細木のメッセンジャーとして、裕介は女性に会いに行きます。
 清水美樹・21歳は、裕介と同じ大学に通う上級生でした。彼女はU共和国に留学する夢を持っています。美樹は働いて、生活費や学費などすべてを自活していました。
 裕介が想像していた女性とは違い、美樹は自立し、夢に向かって自分を歩んでいます。目標のない裕介にとって、彼女への尊敬や憧れが芽生え、しだいに魅かれていきます。
 そして、裕介のこころが動きだします。
 裕介の想い、美樹の夢、細木の欠けた季節が絡みあい、迎える結末は――

“自分を生きる” 物語。


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